あわびさん日記

〜さもやらぬさえもせぬひびのことやらつらづらと

行政書士資格をとりました

実は去年の秋に行政書士試験というものを受験してました。

今週になって合格通知ハガキが届き、とても喜んでいます。

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勉強をする前、またしている時も受験者の方々がブログなどで公開している
学習法や考え方はとても参考になりました。
少しでも恩返しがしたく、ここで私の学習方法を公開することにしました。

まず私のバックグラウンドも記しておきます。
外国語大学中国語学科卒業の30代の男です。
ITを生業としています。今は中国語を使って仕事をしています。
学習に費やせる時間はスキマ時間も含めて
平日は最大6時間ほど、休日は14時間ほどです。
これまで法学の学習歴は0です。

試験日は去年(2013年)の11月10日で、勉強をし始めたのは去年の7月末からでした。
期間は3ヶ月強ほどしかありませんでした。かつその間1ヶ月は、7年ほど住んでいた中国から日本への引っ越し作業や家人の病気などがあり、ほぼ学習ができませんでした。

ですから、学習期間は独学で実質3ヶ月ありませんでした
今回は、後でどうやって勉強したのか自分で思い出すためにもまとめておこうと思います。

(あと学習のときに使った本のアフィリエイトブログでもありますw 興に乗じて思わずアフィリエイトリンクを張ってしまいました。)

まずは、指針

そもそも行政書士資格を受けようと決断したのが去年の7月末でした。試験日までもうその時点で3ヶ月しかありませんでした。もっと早く決断すべきだと思いますが、それまで海外におり、受験日にこちらにいれるかどうかもわからなかったので、遅い決断となったのです。

色々調べてみると、もうかなり時期を逸していることを知りました。たまたまお会いした行政書士講座の講師の方にも、もう遅いと言われましたが、まあ一応は受けてみようと思いました。ただ、短期決戦なので指針ははっきり決めておこうと思いました。以下のような学習指針でした。

  • 資格試験と割り切る。無駄な事はしない。

これだけです。ただ、この指針から派生する方策がいくつかあります。

  • 高得点である必要はない。ギリギリでよい。
  • マニアックなところは捨てる。答えられて当たり前のところから学習する。
  • 配点の高いところから優先的に学習する。

他にも色々ありますが、細かくなるのでやめておきます。

あと、気持ちの問題ですが、

  • 短期だから落ちても仕方はない
  • 落ちても仕方がないが、勝負に出るからには本気でやる

を合い言葉に集中することにしました。 

基本書、問題集など

僕が今回使用した本は以下のとおりです。

  • 入門テキスト
  • 基本テキスト
  • サブテキスト
  • 基本問題集
  • 過去問題集
  • 模試問題集

あったらいいと思うものは以下の本になると思います。

  • 筆記対策問題集

六法書は買いませんでした。必要ないと思います。
(受かってから買いました)
条文は、インターネットで確認しました。

基本書で購入したのは以下の本になります。

  • 「はじめてでもよくわかる!行政書士入門テキスト」
  • 「合格革命 行政書士 基本テキスト」

入門テキスト

もう本当に初めてなのでなにから手をつけていいのかすらも分からず、
とりあえず入門テキストを購入し、2日ぐらいで読破しました。
「はじめてでもよくわかる!行政書士入門テキスト」を選んだのはたまたま目についたからです。行政書士というもの概念すらあやふやであったので、大まかな流れをつかみました

また、実はこういった法律系資格の学習が自分にあっているのかすらわからなかったので、この本で行政書士試験を受けるかどうかの判断をしました。幸いなことに(?)入門テキストは面白く読めました。

まずは、こういった「入門テキスト」を読んで適性があるかを確認することをオススメします。 

基本テキスト

「入門テキスト」だけでは受からないので、基本テキストを購入する必要があります。

僕は、「合格革命 行政書士 基本テキスト」という本を買いました。
これを選んだ理由は、以下の理由からです。

  • 効率よい学習法のヒントが多い。
  • カラフルで取っ付きやすい
  • 価格 あんまり高いのはだめでしょ。

基本テキスト選びは大事だと思います。前書きを読んで自分が一番納得できる学習方法を記している本を買えば間違いないと思います。

また、行政書士の範囲も広いので、どの会社のものでもちょっとした辞書なみに分厚いです。(一冊でおさまるだけラッキーだと思いますが。)

買った本は奇麗にしたい方なのでカバーに入れて大切に扱おうかと思いましたが、出先でも確認したいことも多く、カッターで背表紙を切ってバラバラにすることにしました。

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こんな風にバラバラにしたあと、ダイソーなどの100円ショップで製本テープを買ってきて製本しました。

こうすることでかなり学習の機動力があがりました。こちらには時間がないのですから、機動力は非常に大切でした。

 問題集

購入したのは以下の問題集です。

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基本問題集

理解力チェックのためには必要でした。

基本テキストと合わせて購入すると、ページリンクがされているので、
問題に疑問があった場合、基本テキストの該当ページをすぐに見る事ができ
便利です。

過去問題集

僕は、ブックオフで去年のやつを見つけたのでそれを買いました(笑)。別に去年の問題がそのまま出るわけでもないですし、ホームページに掲載されていたり、解説もどこかのサイトにあったりするので、最新のものでなくてもいいような気がします。

 記述式対策書

記述式部分は配点が高く、いくら時間がないとはいえどもまったく準備しないのはナンセンスだと思いました。もう本当に直前期、試験前々日くらいに購入し、必死に一巡だけしました。それでもやるとやらないでは大違いでした。

模擬試験集

行政書士試験は過去問だけやっても落ちるとの話でしたので、模擬試験も購入してやりました。本当は予備校が実施する模擬試験を受けに行けばよかったのかもしれませんが、人よりもスタートが遅れているため、模擬試験を受けるまでの学力がないと判断し受けませんでした。模擬試験はある程度出来るようになってから受けた方がいいと思いました。模擬試験で点数が低いとやる気をなくしかねないので。

サブテキスト

なにしろ法律知識ゼロでしたので、どうしても基本テキストだけではどうしても頭に入ってこないものがあります。そういったものはサブテキストを買って乗り切りました。今回の試験では民法でした。憲法行政法民法、商法、会社法と試験範囲は広いですが、憲法行政法を学習して次に民法となったときに突然さっぱりわからなくなってしまいました。これは民法は抑えるべきポイントが多過ぎて、基本テキストにはポイントしか書いていないため、理解を深めるための手がかりがまったく掴めず、理解が進まなかったのです。そこで民法だけの入門書を購入しました。「伊藤真民法入門」Kindleで購入し、通勤時間に読み終え、民法全体を俯瞰してから再び学習すると、今度はとても楽に頭に入ってきました。急げば回れですね。この伊藤真先生のシリーズは良さそうなので全部読んでみようと思っています。

学習方法

僕は試験勉強の時にいつもノートを作ります。よく資格試験ではインプット、アウトプットと分けて学習のプロセスを説明していますが、ノートを作るとインプットとアウトプットが同時に出来て効率がよいと思っています。また、ノートを作ると達成感があります。大事でしょ。達成感。

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憲法に関しては、行政手続き上の細かいところよりもその立法趣旨や関連判例の趣旨などを理解すべきと思い、自分に口で説明しながら、ノートで基本テキストの内容をまとめていきました。
こんな感じのノートで、覚えたいところは赤い色にして暗記シートで隠して覚えられるようにしました。

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細かい、覚えるところが多いところ(行政法民法など)は、こういったアナあきノートにしました。自分で問題集を作るやり方です。ノートに線を大きく引いて、まず左側の問題を書き終わってから右側の解答を書いていきます。これにより作る時に、どういったところが問われるかを意識できること、また、解答を書き入れる際にもう一度自然に復習できていることから効率のいい勉強方法だと思っています。大学受験の時もこういったノートを十何冊も作りました。今でもたまに見返します。こういう目に見える努力は自信に繋がるいいツールだと思います

ただ、今回の場合は時間もなかったので、新しくIT(笑)を導入することにしました。途中からMicrosoft Wordで作るようにしたのです

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こんな感じで基本テキストで自分が大事だと思うところを再構成していきました。

このやり方は僕に取っては大当たりでした。というのも、ずっとキーボードを打つ仕事をしている僕からすれば、タイピングは字を書くより疲れないですし、(夏休みの時にはノートを書きすぎてペンだこが酷い状態になっていました。)速いからです。また、あとで言いますが、再利用もしやすいのです。これも口でポイントを説明しながら再構成していきます。ブツブツいいながら。時間がないので五感フル回転でやるしかないと思いました。

で、この「Wordでノート作り」のいいところは、すぐにオリジナル問題集に変換できることです。さっき言っていた「再利用」です。

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Wordでノートを取る時に、大切なところを「太字」にするなり、「色」をつけるなりしておきます。(自分でやってみてわかったのですが、「色」がオススメです。太字はあまり見分けがつかないです。)そして、ワードの変換機能で「太字」やら「色」などの文字属性を持つものを「_」(アンダーライン)に変換すると、あっという間に自分のノートがオリジナル問題集に変換されます。ノートと問題集を印刷してバインダーに挟んで常に携帯しておきスキマ時間にずっと見ていました。

実は時間が足りなく、こういったノートは憲法行政法民法しか作れませんでした。商法、会社法については、テキストを見て、問題集を解くというオーソドックスなやり方で臨みました。やはりそれでは理解が足りず実際の試験でも商法、会社法についてはあまり点数をとれませんでした。ただ、配点の高いところから優先的に学習するという方針に合致しているので特に問題だとは思いませんでした。

また、やっていないですが、こういった学習方法の先にはブログでまとめる、Facebookでまとめるという方法もあるのかな、と思います。ソーシャル学習法となるのでしょうが、ソーシャルにかまけてしまってやらなければならない勉強が疎かになりそうでやらなかったのですが、今度はなにかのツールを使ってやってみようかなと思います。もうすでにやっておられる方はたくさんいらっしゃいますね。

その他学習リソース

基本テキストだけではわからないときには、予備校に行っていれば講師に質問することとなりますが、独学者の僕ははそういうわけにはいきませんでした。なにか疑問があったときですが、もうこれは当たり前すぎて言うのもなんなのですが、99%の答えはグーグル先生が知っていました。行政書士の学習者が抱く質問なんて、もう誰かがすでに抱いた質問なのだと思い知らされました。たまに、まとはずれな回答もありますが、総じて大変親切な先生が教えてくれます。残りの1%になってしまった時、つまり質問の答えが見つからない時は諦めました。あまり知っても意味がないものなのだなと考えました。

また、基本テキストだけでは理解のよすががなく、覚えられないというときは、藤井行政書士予備校http://gyousei-school.net)さんなどの無料ウェブ講座を受講しました。本当に役に立ちました。Youtubeなどで自分のわからない範囲のキーワードを入力すると、たいていの場合は無料講座動画が出てきます。出てこない場合は大事なところではないのだと判断して諦めることにしました。

あとはインターネット上の問題ドリルをよく使いました。岡野の合格無料ゼミhttp://www.gogosyoshi.com)さんには大変お世話になりました。これを何度も繰り返すことによって記憶が定着したと思っています。

 おおまかな学習プロセス

今回の試験勉強でのおおまかな学習プロセスはこんな感じでした。

基礎固め編

  1. 基本テキストを理解する。
  2. 口で理解した場所を説明しながら、ノートにまとめる。オリジナル問題集を作る。
  3. スキマ時間でノートやオリジナル問題集を見直す。
  4. 基本問題集やインターネット上の問題ドリルを使い記憶を定着させる。
  5. 以上を一巡するまで基本テキストの章節単位で繰り返す。(ノートを作ったのは、憲法行政法民法のみ)

応用編

  1. 過去問をする。大体基本問題集やインターネットの問題ドリルも過去問から作られているので、見た事のある問題ばかりで点数高くなることは念頭にいれる。
  2. 模試をする。模試の難易度と実際の試験の難易度はリンクしないこともあるので、結果はあくまで参考とする。単純にまだ出題されていない問題の数をこなすために模試を受けるイメージ。
  3. 過去問、模試でだめだった分野を基本テキスト、ノートで再確認する。
  4. ダメだった分野を基本問題集やインターネット上の問題ドリルを使い徹底的に復習。
  5. 以上を時間がくるまで繰り返す。

あと以上に加えて、記述対策問題集で記述対策をしました。点数配点が高いので、自信をつけておこうと思いました。ただ、時間があまりにもなく、そんなに高い点数はとれませんでした。

試験本番

行政書士試験本番は3時間でした。僕にとってはあっという間の時間でした。
集中していると時間がわからなくなるので、ペース配分に気をつけました。
解く順番も考えました。
難しく長考が求められる問題は、後回しにしました。それで簡単な問題をアセって解いてケアレスミスするのがあまりにももったいないと思ったからです。
また、記述も後回しにしました。こういう問題は時間をいくらでもかけれるからです。
一般教養では、まず文章題を先にやりました。文章題はロジックを使って考えれば必ず全問正解できる問題なので、アセって答えを出したくなかったからです。

2択に絞り込んでまだ迷いがある問題に関しては、こういった試験ではとりあえずマークをし、問題用紙に△をうって後で見直すのですが、今回は見直す時間がありませんでした。ただ、これはこれでよかったと思っています。せっかく合っていたのに、わざわざ書き直すということも多々あるので。これに関してはいつも、軽く見直して、確実にマークをした方が間違いという証左がない限りは変えないようにしています。

試験後

この試験は2ヶ月半後にやっと結果が出る試験です。それまで宙ぶらりんになります。
記述式問題の結果は、自己採点がし難い部分でもあるので、結構悶々としてしまいます。
賢いやり方は、頭を完全に切り替え新しいことをするというのは分かっているのですが、なかなか僕の場合はできなかったので、結構神社仏閣へ神頼みに行ってしまいました。(笑)

運を味方につけるというのは大切なことだとは思います、が、ちょっとやり過ぎました。

ご利益はともかく、神社やお寺に行き、お参りをしながら、自分自身とゆっくり向き合うのはとても大切な時間ではありました。いろいろ語りかけてくれますよ。神様も自分自身も。

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これから

ということを経て、一番上に載せている合格通知を手に入れることができました。
実は今回の試験は簡単でした。合格率も2012年度の9.19%から10.1%にあがっています。参考になるかと思い、色々学習方法を書きましたが、一番の原因は、運がよかったのだと思っています。記述式問題にしても、採点者の裁量というものもいくばくかはあるでしょうし。(僕は、時間がなく、直接解答用紙に答えを書き、今ではなんて書いたかわからないほどでした。)

ですから、もう一度、同じ事をして三ヶ月以内で勉強して合格できるかと言われれば別の話で、多分五分五分だったのではないかと思います。正直、受かってなくても納得していました。あと一ヶ月あれば、もう少し安心して受験できたかなと実感として思いました。

今回、行政書士の資格を取ったのは僕自身が華僑であるため、入国管理局の業務には結構親しみがあり、自分自身や家族の手続きをしたり、人の手続きのアドバイスをしてあげたりしていたので、これを仕事にしている行政書士とはどういう仕事なのだろうかという興味からでした。中国語とこの資格を組み合わせればなにかに化けるのかも知れませんが。ただ、ITも面白いんですよね。まずは、知り合いの司法書士さんに話を聞いてみようとは思っています。

質問があれば、出来るだけお答えしようと思いますので、メールをください。 hongkongtram(アットマーク)gmail.com

です。

 

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(少し記事を修正しました:2019/1/31)